京都市内の高層ビルの屋上で、菜園を始めたのは、佐藤美香という女性だった。

彼女は会社員として働きながら、自分の趣味として野菜やハーブを育てていた。

しかし、彼女が住むマンションでは、ベランダでの栽培が禁止されていたし、近くに公園もなかった。

そこで彼女は、インターネットで見つけた「ポリエステル培地」というものに興味を持った。

これは古着や廃棄物からリサイクルされたポリエステル繊維に人工ゼオライトや土壌改良材を混ぜた人工培地で、土を使わずに植物を育てることができるというものだった。

彼女は早速この培地を注文し、会社の屋上に許可を得て設置した。

そこに野菜やハーブの苗を植え込んだ。

この培地は軽量で長期間使えるし、水や肥料も適切に管理すれば、虫や病気も発生しにくいという利点があった。

彼女はスマートフォンで栽培情報をチェックしながら、毎日楽しく世話をした。

続く